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2024/05/14 19:28 |
送別魏三~その2~


完成品です。
「蜜柑色の軸先を添えて」

中廻しに使った上緞子の凛とした光沢が美しいです。

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2011/02/01 00:33 | Comments(0) | TrackBack() | 掛け軸
送別魏三


依頼により漢詩を表装します。
テーマは蜜柑!

総裏まではパーツごとに裏打ちが可能ですが、総裏だけは可能なかぎり一度に打った方がよいです。
糊代を含めると6尺(182cm)になってしまったのでうちの仮貼り台のサイズを超えてしまいました。
裏打ち用にベニヤ板を買ってきて裏打ちです。

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2010/11/04 00:52 | Comments(0) | TrackBack() | 掛け軸
啐啄 -Beginning of the universe-
(クリックで拡大)


友人から依頼されて制作した、本紙も含めて完全オリジナルの新作掛軸。
これからもどんどん作っていかねば。(でないとストックの紙や裂が増える一方だ。)


今作は全て和紙で制作した紙表具。
友人が作品のテーマとして指定してきたのは「鳳翼天翔」
(なんじゃそら…。必殺技かなんかか!)

赤の楮紙で筋を4本放射状に。
鳳凰とPhoenixを確信犯的に混同。
歴史的にみて問題あるまい。

モチーフは次第に鳳凰を離れ天へ。

未だ天と地の別が明確ではなかった創世以前の原初の空へ。

鳳凰の嘴が天を衝く事を端緒として天地が開闢したのが先か、
その存在の基盤たる天地が別れたのが鳳凰に先立つのか。

一見、矛盾するその因果律は破綻しない。

これは万物の法則の制定以前のお話。何も矛盾は無いのだ。



はい。以上、後付けのモチーフ解説。

師匠の教えその二、
「自分が何を作っているのかを明確に意識し、説明できるようにせよ。」
主婦の手慰みと創作活動の違いというのは究極そこでしかないのだと、
カルチャースクールで教鞭もとる師匠は語る。
それが何であるのか。何故そうである必然性があるのか。
作品の背後にある、それを裏付ける理論の構築も上達していかねばならない。

以下、技術的な話。ダメ出しともいう。




1.筋が太い。
覆輪なんかでもよくある一分(3mm)で作ったのだが、これが太い。
太いと野暮ったく見えるらしい。5厘(1.5mm)でもまだ太いかも。

2.軸先の出が長い。
軸先は直径と同じ長さだけ出す。
つまり正面から見ると正方形に見えるようにするというのが口伝だが、それはあくまで基本であって丁度よい出の長さはケースバイケースで異なるということ。
一般に小さな掛物は出を短くした方がよいらしい。
このサイズの場合、軸先がでか過ぎてこれまた野暮ったく見えるそうな。


言われてみるとなるほどその通りである。
しかし、言われるまで気付かなかったという事は目さえも未熟ということ。
職人の道も芸術家への道もまだまだ先は険しい。
まだまだ登り始めたばかりである。

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2010/10/17 23:30 | Comments(0) | TrackBack() | 掛け軸
【告知】 観○光 EXPO2010
http://www7b.biglobe.ne.jp/~geijutsunomachi_kyoto/kan_hikari.html
観○光 EXPO2010
日本の美とこころ ~過去・現在・未来~
序破急 その弐 【破】

清水寺 2010年10月28日(木)~11月7日(日)
二条城 2010年10月28日(木)~11月7日(日)
泉涌寺 2010年10月28日(木)~11月7日(日)
圓通寺 2010年10月16日(土)~11月14日(日



今年も開催です。

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2010/10/10 03:13 | Comments(0) | TrackBack() | 展覧会
斜方格子上のコヒーレント共鳴
今年の夏の新作です。
気温的にはまだ全然夏ですよね。



ブルーノ・タウトが感嘆したという桂離宮の松琴亭にある襖をモチーフにした紙です。
思えば、初めて仕事で張った思い出深い紙です。

幅をギリギリまで使って傾けてトリックアートっぽくしてみました。
格子柄の紙を使うのではなく、小さな紙をたくさん継ぎ張りすれば角度も直角でなくして、さらにトリックじみた仕立てにできたかもしれません。
ま、それは次回の課題という事で…。

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2010/09/07 00:40 | Comments(0) | TrackBack() |
巻物だってばよ!


巻物です。



開きます。



さらに開きます。



掛軸、屏風あたりまでは現代でも日常生活の中で出会う機会があると思います。
しかし流石に巻物となるとなかなかお目にかかる機会はないですよね。
漫画やアニメの中で忍者だったりオオガマだったりが咥えてるくらいの印象しかない人も多いでしょう。
言ってしまえば、昔の本ですから装飾性よりは実用性重視です。
基本的には掛軸を横にした作りですが、本紙のまわりには裂ではなく和紙を使うので制作コストも抑えられ、より細く巻けます。

縁には覆輪(金色の装飾)を施しました。
黄金の輝きで一気に高級感が増しますが、実は意外と安いです。

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2010/07/15 01:42 | Comments(0) | TrackBack() | 巻子
連作 09SUMMER
なんだかんだで全てUpするのに1年もかかってしまったこの体たらく。

全景でしか残っていないですが、第4弾は左上です。
細く切った紙で編み込みを入れました。
もう少し色数を使えばよかったかな。



習作のための連作という事もあり、驚くほどの統一感の無さ。

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2010/07/02 00:59 | Comments(0) | TrackBack() |
襖ブログは新しい襖紙の使い方をご提案いたします


見本帳「銀河」より雲竜紙を4種類並べて使います。
トーンを抑えた色調での仄かなグラデーションが、落ち着いた中にも動きのある表情を演出します。
襖の開放の度合いによってその印象は幾重にも変化するでしょう。



通路側には白地に不均一な小豆色の縦縞の入った文華紙を用います。
重力に従って上から下へと落ちる平行線は床と垂直に交わり、奥へと向かう方向性を強く意識させます。
襖は元来、扉としての役割と壁としての役割を併存していますが、ここでは壁としての属性を強化し視線を通路の奥へと誘います。



通路の襖は部屋の内側においては、もはや通路としての意味を完全に消失します。
襖の本質はその二面性であるといっても過言ではないでしょう。
「錦2069」その細かな三角形が連続する幾何模様は薄氷に走る亀裂を連想させます。
虚(うつ)と現(うつつ)、夢と現実、部屋の外と内とを隔てる境界は、薄氷程の厚さでしかないという事を人は忘れてはならないのです。
襖を含むこの世のあらゆる事象は移ろいゆく儚い存在なのです…

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2010/06/01 00:51 | Comments(0) | TrackBack() |
告知
「第53回 表装作品展」
(東京表具経師内装文化協会)

5/14,15,16
AM10:00~PM4:00(最終日はPM2:00まで)
隅田公園リバーサイドギャラリー

毎年恒例の掛軸・額・屏風・襖・衝立 他 の作品展です。
今年は会場が違いますのでご注意ください。


「宇田屋吉水 第30回展示特売会」

6/4,5
AM9:00~PM5:00
渋谷区立商工会館2階展示室

吉水さんの年に一回の特売会です。
たぶん刷毛屋さんもやってきます。

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2010/05/10 01:32 | Comments(0) | TrackBack() | 展覧会
DOMANI・明日展2009
未来を担う美術家たち
DOMANI・明日展2009
〈文化庁芸術家在外研修の成果〉



美術展に行ってきました。
文化庁の在外研修制度で海外に派遣された若手芸術家さんの作品が集められています。
といってもほとんどの方が40歳超でしたが

漆造形作家の栗本夏樹さんの作品とそのスタンスに感銘を受けました。
蒔絵や螺鈿といった伝統的な手法を用いつつも、車のボンネンットに漆芸を施したり、
キリスト教的なモチーフを大きな板面に展開したりと、漆の新たな境地を切り開いています。

 (あぁー、襖や屏風で私がやりたいのってまさにこういうことなんだよなー><
  こりゃ負けてらんないぜっ o(><)o )

とてもいい刺激を貰ってきました。

あとは画家の吉仲正直さんの作品が良かった。
抽象画なんだけど感覚でなく理論で描いてるのかなって思った。
落ち着いているのに鮮やかな色彩とか色と形のパターンの配置のされ方とか、
印象は無造作なのに計算しつくされている感じがした。
参考にしたいがとても真似はできなさそう。

1月24日まで六本木の国立新美術館で開催されてます。
とりあげなかった作家さんの作品もどれもエネルギッシュで圧倒されました。
よかったら読者の皆様もぜひ。

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2010/01/11 22:15 | Comments(0) | TrackBack() | 展覧会
【告知】 観○光 EXPO 2009


http://www.kan-hikari.org/

観○光 EXPO 2009
日本の美とこころ  ~過去・現在・未来~
序破急 その一 【序】

A日程:清水寺 2009年10月27日(火)~11月5日(木) 9:30〜16:30



屏風作家 麻殖生 素子 先生の作品が見られる数少ない機会です。
http://www.maiostudio.com/

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2009/10/19 00:20 | Comments(0) | TrackBack() | 未選択
intended/unintnded ~立ち別れ因幡の山の峰に生ふるまつとし聞かばいま帰り来む~

さぁ皆さんお待ちかねの夏の連作第3弾です。

誰しも初心の内は(もちろん熟達の域に達してさえ)失敗を犯してしまうものです。だって人間だもの。

 

では襖張りにとっての失敗ってなんでしょうか?
それはなんといっても張り上がりの「皺」でしょう。
決して仕事でやっちゃいけない、恥ずべき失態です。

 

だが今回は逆転の発想をやってみた。
あえて皺る。



(クリックで拡大)


下地にくしゃくしゃに丸めた和紙を張ってその上に表紙を張ることで微細な皺と凹凸を、さらに位置合わせの段階で表紙を大きく捩る事で紙面を縦断する大きな皺を創る。ついでに通常は縁にしか塗らない濃糊を内部の何箇所かに塗って乾燥時の攣りで不規則な皺を演出します。

 

そこへ砂子を重ねてまたしても節操の無い感じに。
まだ色々と実験段階です。
 

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2009/09/27 23:50 | Comments(0) | TrackBack() |
RP2 - B2 + ∂B2


古今の権力者達を魅了してやまなかった金属。
その妖しく蟲惑的な輝きに目が眩み、
以前から興味があった「砂子細工」というものに手を出してみました。
和紙にすり潰して粉状にしたり小さく正方形に切ったりした金箔を貼り付ける装飾技法です。

渋谷の画材屋「ウエマツ」さんがちょうどセール中だったので金箔や工具なんかを仕入れてきました。
金箔は金沢製と京都製があり、金沢製の方が少しだけお買い得です。
(実家が近いので個人的には金沢を応援してあげたい。)

セール中でお買い得だったとはいえ、流石はGold。
50枚セット重量1gで6300円でした…。
中世に錬金術師が大量発生したのも肯けるというものです。

さて、まずは金箔を茶漉しですり潰して細かい金粉にします。
一枚の金箔があっというまに消えてなくなっていく様がとても物悲しいです。
すごく悲しい気分になります。



紙にはあらかじめ礬水(ドーサ)液と呼ばれる膠と明礬の混合液を塗っておきます。
これが糊代わりになります。
明礬っていうと、あれですね。よく理科の実験で結晶の素材になる硫酸カリウムアルミニウムです。
糸で吊って正八面体にする以外の有効利用法を初めて知りました。

礬水液が乾かないうちに茶漉しから振り落とします。
乾くとくっつかなくなっちゃいますからね。



自然乾燥させて完成です。

真ん中の紐はメビウスの輪(のつもり)です。
細い帯状の部分を残して紙を切り抜き、右側の半分はクルッと裏返して張っています。
仕事中にハッと思いついて、これはイケる!と思ったものの実際やってみると…その…、う~n。
という感じだったので砂子の習作に切り替えました。
という事でなんか節操のない感じに…。

以上、夏の連作 Op. 2/4 「RP2 - B2 + ∂B2 」でした

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2009/07/14 23:41 | Comments(0) | TrackBack() |
霜白き 神の鳥居の 朝がらす 鳴く音もさびし 冬のやまもと
今後の製作の糧に実験的な襖を色々と張ってみました。
一作づつ紹介していきたいと思います。



一作目は見ての通りの鳥居のモチーフです。
イメージは伏見稲荷です。(たった二つで何を言う)

朱の地紙の上に深緑のパーツを重ねていく事で線を出しています。たった11枚の紙片を貼っていくだけですが直線を形成するように注意を払いながらの作業は存外に疲れました、精神的に。

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2009/06/24 23:08 | Comments(3) | TrackBack() |
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