古今の権力者達を魅了してやまなかった金属。
その妖しく蟲惑的な輝きに目が眩み、
以前から興味があった「砂子細工」というものに手を出してみました。
和紙にすり潰して粉状にしたり小さく正方形に切ったりした金箔を貼り付ける装飾技法です。
渋谷の画材屋「ウエマツ」さんがちょうどセール中だったので金箔や工具なんかを仕入れてきました。
金箔は金沢製と京都製があり、金沢製の方が少しだけお買い得です。
(実家が近いので個人的には金沢を応援してあげたい。)
セール中でお買い得だったとはいえ、流石はGold。
50枚セット重量1gで6300円でした…。
中世に錬金術師が大量発生したのも肯けるというものです。
さて、まずは金箔を茶漉しですり潰して細かい金粉にします。
一枚の金箔があっというまに消えてなくなっていく様がとても物悲しいです。
すごく悲しい気分になります。
紙にはあらかじめ礬水(ドーサ)液と呼ばれる膠と明礬の混合液を塗っておきます。
これが糊代わりになります。
明礬っていうと、あれですね。よく理科の実験で結晶の素材になる硫酸カリウムアルミニウムです。
糸で吊って正八面体にする以外の有効利用法を初めて知りました。
礬水液が乾かないうちに茶漉しから振り落とします。
乾くとくっつかなくなっちゃいますからね。
自然乾燥させて完成です。
真ん中の紐はメビウスの輪(のつもり)です。
細い帯状の部分を残して紙を切り抜き、右側の半分はクルッと裏返して張っています。
仕事中にハッと思いついて、これはイケる!と思ったものの実際やってみると…その…、う~n。
という感じだったので砂子の習作に切り替えました。
という事でなんか節操のない感じに…。
以上、夏の連作 Op. 2/4 「RP2 - B2 + ∂B2 」でした
トラックバック
トラックバックURL: