糊は襖の張替、表具の裏打ちに欠かせないものです。
糊の出来具合が表具の仕上がりの良さを決め、襖の張替においてはさらに作業のスピードをも左右します。
用途によって適切な濃度があり、またその濃度に適した刷毛が存在するのです。
ということで今日は糊と刷毛のお話です。
掛軸の場合、糊はいわゆる生麩糊を使います。
これは小麦粉をコトコト煮詰めて作ります。
本格的には煮込んだ糊を壺に入れて土に埋め、黴が生えるまで熟成させます。
(といっても黴が生えるのは表面だけで、もちろんそれを取り除いて使います。)
熟成させる事によって接着力を極限まで落とし、必要最小限の力で紙を張り、その変質を避けるわけです。
しかし、これはかなり面倒くさ~い作業なので、現代では化学糊、合成糊を使う事も多くなりました。
長期間の保存を目的としない襖などは基本的に合成糊を使います。
写真は「アミノール」という合成澱粉糊です。
(実はこれを作っているメーカーが筆者の実家のすぐ近くにあるということを最近知りました。)
糊は使用するたびに水で溶いて適切な濃度で使います。
ちょっと話が長くなってしまったので、刷毛の話は次に回しましょう^^;
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